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あなたとふたり
第5章 あなたの隣
受験勉強、夏期講習という
考えたくもない悪魔の日々に
『夏休み』を奪われ続け…

夏休みも残り1日となった。


最後の8月31日も
私たちは変わらず学校にいる。



「あっちぃー!!」


あの日から優ちゃんは何も変わっていない。

普段と変わらず
私や玲奈、康太に減らず口を叩いている。


「康太。お前、進路決めた?」


四人で机を囲んで話していると
ふと優ちゃんが口を開いた。


「俺は陸上で推薦だから。
進学だし、ほぼ内定してる。」


「「うわっー!ずっるー。」」

玲奈と優ちゃんの声が重なった。


「そういう優は?」

康太が聞き返すと。


「んー…。大学だな。」

「え〜!あんたが進学!?

どうせそこらへんの私立でしょ!?」


玲奈が笑いながら言う。


「いや。○○大学。」




……………………。


静かまりかえる私たち。



冗談?

聞き間違い?


そこは…優ちゃん。
知ってるの?

有名な難関大学だよ?

「うそだろ?」

康太が笑って聞いた。


優ちゃんの表情は至って真面目で


「マジ。A判定もらってる」

とさらりと言っている。


見かけで人は判断してはいけないって
この事だ…。
3人がそう思ったことだろう。

玲奈なんて腹を抱えて笑っている。


確かに頭は良いと思っていた。
けれど授業中はいつも寝ていて
先生の質問に、わかりませんとしか
答えていなかった気がするけど…。


「遥香は〜?」

玲奈が話題を振る。

「私も進学かな。」
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