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あなたとふたり
第6章 遥か遠くの君
「はっ。お前ら何でもわかるんだな。

何?幼馴染みの特権?」

「生憎、俺はもう隣は埋めてある。

遥香には俺は必要ないし

俺にも…」


「必要だろ?」



こいつは、どこまでもーーーっ!



殴りかかろうとしてやめた。


「…だな、必要だよ。」


そう言って俺は
柳 康太に背中を向けた。



やっと1年かけて近付けたんだ。

なのに
『幼馴染み』と言うだけで

全て持って行きやがった。


今更なのかもしれないな…。



俺は…

遥香が

必要なんだ。



遥か遠くに行ってしまった君。

遠く…遠く…

1年なんかじゃ埋められない距離だった。



……………………………………………



次の日、柳 康太が俺の席にきた。

ニヤニヤと笑って。

「何だよ」

「優。来いよ」

康太は自分のグループに俺を呼んだ。


そこにはニコニコと笑う遥香がいた。

「おかえり。優ちゃん。」

「女たらしも卒業したら?
もう隣は隙間もないかもね!」

「っるせーよ。隙間なんてねぇーよ。
最初からなっっ!」


遥香は声を出して笑って
俺の手を掴んだ。



遥香には康太がいる。

幼馴染みと言うだけで

先には進んでいない。



遥か遠くの君に…

少しでも近付けたら…


「あと1年、
隙間を貸してやるよ。」


僕の隣に来てくれないか…
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