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あなたとふたり
第7章 優しい手と優しい唇
何がどうなっているのかわからなかった。


私のせいで優ちゃんが離れた?

私達付き合ってないよ。
そう、優梨ちゃんにも言ったのに…。


それよりも、優ちゃんとあの子との行為が
頭から離れなかった。


いつも優しく包んでくれてたあの手で
優ちゃんは違う子を抱いていた。


あの優しい唇で他の子にキスをしていた。


解ってたはずたった。
優ちゃんはモテるし、あぁみえて優しいから

いつまでも隣にいてくれる訳ないって…。



なのに、なんで

「…っく。っく。…っ。ぅ…」

涙は止まってくれないんだろう。


優ちゃんは変わってしまったの?

もう、私には

あの優しさはくれないの?


やっぱり優ちゃんは

みんなにやさしい『優ちゃん』なんだよ。




この涙を止めれるのは

康太じゃないんだよ?

優ちゃんのその、温かい手だけなんだよ。


「…ゆうちゃぁん。」


たくさん、たくさん
優ちゃんの、名前を呼んだ。

そしたら、飛んで来てくれるような気がしたから。


でも、優ちゃんは来てくれなかった。



優ちゃん。
私達はまだ…



腐ってないよ。
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