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金の月銀の月
第7章 Live in the present
昼前に来客があった。

美枝子の夫の雅之の愛人だ。
急に訪ねてきたので美枝子は驚いていた。


「離婚を早くして下さい!」
彼女は唐突に言った。

どうやら、美枝子が離婚を、渋っていると言っているようだった。

「雅之さんをあなたが好きで別れたくないと言ってるそうだけど、雅之さんの気持ちはあなたには無いから。」

美枝子は雅之になんの気持ちも無い。
雅之と他人になり、早くあんなに酷いセックスをしなくて済むようになりたかった。

「昨日も、雅之さんとセックスしたんでしょ?」

「え?」

「雅之さんが言ったもの。美枝子はいつでもさせてくれるって。どんな事も受け入れるって。」

愛人は美枝子を蔑んだように見つめた。


美枝子は彼女の言葉に返す言葉がなかなか見つからなかった。


昨日は雅之が無理やり私に襲いかかったのに…


「あなた、雅之さんを満足させてる?」

「は?」

「あなたが雅之さんを満足させているのなら、私がいくら雅之さんを好きでも、私を抱いたりしないと思うわ。」

美枝子は、雅之を思い出しながら言った。


「雅之さんは寂しがりだから、ちゃんとかまってあげてね。」

愛人は美枝子を睨みつけた。

美枝子はニッコリと微笑んだ。

「離婚したら、あなたに慰謝料の請求しますから。雅之さんが払う事になるとは思うけど。」.

離婚前に既成事実を作り
離婚を迫るなんて…

もっとうまくやればいいのに…



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