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金の月銀の月
第7章 Live in the present
一真に返信をしようか迷っていた時に、山田が仕事の合間に美枝子の様子を見にマンションに来たのだった。

美枝子は山田の思いがけない時間の思いやりのある訪問にキュンとした。

「あ…お茶をいれるわ…」
美枝子がソファから立ち上がった。

「あ…いいよ。身体が大変だろ?」

「ううん…大丈夫よ。少しは動かないと動かし方忘れちゃうし…あなたに私がしてあげたいの。」

美枝子の言葉が山田は嬉しかった。

キッチンでティーポットに茶葉を入れ、ポットからお湯を注いだ。
そして、茶葉を開かせている時間にティーカップを出した。

お茶の事を一真にいろいろ教わったな…と思い返していた。

留守電に入った美枝子への一真の想いの言葉を思い出した。
そして一真に会いたいと強く思った。

「熱っ!」

ティーポットのお茶がティーカップに外れ美枝子の手にかかった。

山田は急いで駆け寄り、美枝子の手を取り見つめ。水道の水を出した。

「大丈夫かい?」

そして美枝子の手を蛇口に持っていった。

「大丈夫よ。ありがとう。本当ドジね。だから夫をイラつかせていたのかな…」

「そんなことないさ。優しさに甘え自分からの愛情表現の仕方が分からなかったんだよ、きっと。美枝子さんは優しくて可愛すぎたんだ。」

美枝子の手を蛇口から離し、優しくタオルでポンポンと拭いてくれたのだった。



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