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第4章 灰色の兄弟

なんでも
いつ何時、何があるか解らないから
着替えは常に持ってるらしい

ベッドに座ってテレビを見る僕と
テーブルに向かって宿題を
眉間にシワを寄せながら真面目に読む村越

(…まじなんかなぁー)

顔すらも向けずに
この妙な出会いを客観的に感じていた

「経験がないのは、確かみたいだな」

ごもっともではあるが
思春期真っ只中の僕には
結構イラっとくる発言だった

ソファーに深く座る村越にそっと近付き
耳元に口を寄せる

「あんたが教えてくれるんちゃうん?」
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