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秘密の香り
第12章 秘密の痛み
「もしもし…今どこ?」


『ごめん!トイレ行ってた…そっち行くよ、どこ?』


「お土産屋さん出たとこで待ってるね」


『うん、すぐ行く』



電話を切って空を見上げた

吐く息は白く手はかじかんで冷たい…



こんな寒い日を…
私は誰と過ごしたい…?

誰の隣にいたい…?


何度も自問自答する…



敦がポケットに手を入れて歩いてくる


「ごめんな、寒かっただろ…」


「ううん、大丈夫」


「なんかあったかい飲み物買って行こう」


「うん」



自販機で敦はコーヒーを買い
私はミルクティーを買った



「ほんと昔から好きだよね、ミルクティー」


「飲む?」


「いや、そんな甘いの飲めないって」


大袈裟に手を振って
無理だよって顔をする敦


「私もそんな苦いのは飲めない、美味しいの?」


「桃香みたいな子供には大人の味は分かんないよ」


「そんな子供扱いしないでよっ!」


そう、昔からこうやって敦は私をからかう


私たちは笑いながらクルマへ戻った。































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