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あなたの面影
第6章 雨が降る金曜の夜
「悪い。ちょっとトラブルがあって連絡も出来なかった」

「もう……来ないかと思った……」

「本当にごめん」

鼻の奥がつんっとして、涙がこぼれた。

「馬鹿っ……雨の日に……待たせないで……」

私は名執さんに抱きついてしまう。
自分を止められなかった。

「えっ……お、おい……」

いきなり泣きつかれた彼は戸惑っていた。

「ごめんな。待たせちゃって……」

けれどなにも訊かず、私をひしっと抱き締めてくれた。



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