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あなたの面影
第6章 雨が降る金曜の夜
尚も左右の太ももを舐められたり指先で撫でられる。
けれど決して肝心なところは触ってくれない。
辛くてつい腰を上げてしまう。
舐めて欲しくてつい意識的に、その部分を近付けてしまった。
こんなはしたないことをするのは生まれてはじめてだった。

「なんだ? 瑞波。どうして欲しいんだ?」
「そんなこと……訊かないで……」
「言わなきゃわからないだろ?」

名執さんは体を起こし、顔を私の目の前まで近付ける。
端整な顔立ちがからかうように笑っていた。
切れ長で涼しげな瞳が私の瞳を覗きこんで問い掛ける。

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