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あなたの面影
第10章 告白
「……ううん。違う。まあ、確かに少しは思い出したけど、聡志はあのバンドあまり好きじゃなかったから。それに今日はニューアルバムの曲がメインだったし」
じゃあなに?
彼の目はそう語っていた。
一仁さんに隠し事は出来ないな、と私は苦笑いする。
「本当に下らないことだよ」と付け加えてから私は考えていたことを口にする。
「私って案外一仁さんのことを知らないなぁって思って。実家はこないだ言ったけど玲香ちゃんに見せてもらったし、一仁さんからも小さい頃の写真とかも見せてもらったけど……」
歯切れの悪い私の言葉も彼は辛抱強く聞いてくれる。
そんなところも好きだ。
わかり合えるってどういうことなのか、知らなくてもいいことってあるのかとか、下手くそな言葉で説明していた。
店内は同じライブの帰りの人たちで騒がしかったけど、一仁さんは喧騒のなか、私の言葉だけに耳をすませてくれていた。
じゃあなに?
彼の目はそう語っていた。
一仁さんに隠し事は出来ないな、と私は苦笑いする。
「本当に下らないことだよ」と付け加えてから私は考えていたことを口にする。
「私って案外一仁さんのことを知らないなぁって思って。実家はこないだ言ったけど玲香ちゃんに見せてもらったし、一仁さんからも小さい頃の写真とかも見せてもらったけど……」
歯切れの悪い私の言葉も彼は辛抱強く聞いてくれる。
そんなところも好きだ。
わかり合えるってどういうことなのか、知らなくてもいいことってあるのかとか、下手くそな言葉で説明していた。
店内は同じライブの帰りの人たちで騒がしかったけど、一仁さんは喧騒のなか、私の言葉だけに耳をすませてくれていた。