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あなたの面影
第13章 笑顔の別れ
私はつくづく待つのが宿命なのかもしれない。

でも今はただ待っている訳ではない。
想いをぶつける為に待っている。
他人任せじゃない。
自分の幸せを掴む為に、自分で動いている。

そんな想いでいると三時間なんてあっという間だった。
午前零時を回っても一仁さんは現れなかった。

もうここに住んでないんじゃないかという疑念が沸き上がる。
一生でも待ち続けるという気構えも、情けないことに折れかかっていた。
その時、ひとつの影が私に向かって歩いてくる。

「瑞波……」
「亜利沙っ……」

凍えそうな私を迎えに来てくれたのは親友だった。
今日は絶対に泣かないと決めてたくせに、亜利沙の顔を見たら涙が溢れてしまった。

「頑張ったよ、瑞波は……泣かないで……」

彼女に抱き締められ、堪えていたものが全て吹き出してしまった。
亜利沙の胸の中で、私は子供のように泣いていた。

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