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あなたの面影
第13章 笑顔の別れ
「ありがとう……」

彼の愛を液体として受け取り、私の心は幸せで震えていた。

「いつの間にか俺が責められてるし……」

笑いながら一仁さんは私の髪をかきあげる。

密着させた身体は体温以上の温もりを感じた。

このまま時が止まればいいのに……

彼の心音を聞きながら、私はそう願っていた。

夜風は冷たいのにこの場を離れずに、こうして抱き合っていたかった。

「ところで俺、天然なところなんてないと思うんだけど……?」
「まだ認めてなかったんですか、それ? あった初日にあんなことをする時点で私はドSって見抜いてたんですから。それを隠せてると思ってる人は天然以外のなにものでもありません!」

案外往生際が悪いところも、からかい甲斐があって好きかも。
こうして一仁さんを知る度にどんどん好きなところが増えていく。


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