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あなたの面影
第13章 笑顔の別れ
「なあ、瑞波……」
「ん?」
私はまだ夢心地で、彼を見詰めた。
「俺、来月から台湾に行かなきゃいけないんだ……」
「えっ……」
それってもう決まった話だったのっ……
まだ間に合うのかと、勝手に思い込んでいた私は心臓を鷲掴みにされた気分になる。
「ごめん……急な話で……」
「もう…………変更できないの……?」
悪あがきのように問い掛けると一仁さんは力なく笑って首を横に振る。
「今さら俺が断ったら社会人として失格だろ……? 会社にそんな迷惑はかけられない……」
「そんなっ……」
「会社からは前から海外勤務の依頼をされてたんだよ。俺は語学出来るし、最近はアジア各国のインフラ整備投資なども進んでて、ビジネスチャンスだからな……」
泣きそうな気持ちを押さえ付ける。
これは一仁さんの仕事の上で大切なチャンスなんだから……
「それに俺も一度海外転勤をしておきたいって考えていたから」
「ん?」
私はまだ夢心地で、彼を見詰めた。
「俺、来月から台湾に行かなきゃいけないんだ……」
「えっ……」
それってもう決まった話だったのっ……
まだ間に合うのかと、勝手に思い込んでいた私は心臓を鷲掴みにされた気分になる。
「ごめん……急な話で……」
「もう…………変更できないの……?」
悪あがきのように問い掛けると一仁さんは力なく笑って首を横に振る。
「今さら俺が断ったら社会人として失格だろ……? 会社にそんな迷惑はかけられない……」
「そんなっ……」
「会社からは前から海外勤務の依頼をされてたんだよ。俺は語学出来るし、最近はアジア各国のインフラ整備投資なども進んでて、ビジネスチャンスだからな……」
泣きそうな気持ちを押さえ付ける。
これは一仁さんの仕事の上で大切なチャンスなんだから……
「それに俺も一度海外転勤をしておきたいって考えていたから」