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あなたの面影
第13章 笑顔の別れ
「風邪引いちゃうから部屋に入ろうか?」

一仁さんが問い掛ける。

「ううん。もうちょっとだけ……ここにいたい」

夜空がとても綺麗だった。

「分かった……」

重ねる肌はお互い冷えきっていたけど、心は暖かく満たされていた。

「三年って長いんですよ。小説ならページを捲れば『そして三年後』なんて出てくるけど。毎日待ち続けていたらすごく長いんですから……」
「そうだね……でも瑞波は独りじゃない。いつも俺と心が繋がっている……それだけは忘れないで欲しい」
「うん……」

一仁さんの頬に両手を置き、すっと引き寄せてキスをする。
柔らかな唇が気持ちを安らげてくれた。
もっと欲しくて、彼の髪に指を入れて引き寄せる。
舌を絡ませあいながらゆっくりとキスをしていた。

彼の感触を忘れないよう、記憶に刻むように……


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