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あなたの面影
第6章 雨が降る金曜の夜
「その……今夜……会えませんか?」
だから誘いの言葉もすんなりと出てしまう。
「今夜?」
「きゅ、急すぎますよね。すいません。なんでもないです。ごめんなさい。忘れてください」
拒まれるのが怖くて、何言ってるのかわかんないくらいに謝っていた。
受話器の向こうで笑ってる声がした。
「いいよ。けど今日ちょっと仕事で遅くなるから。前行ったバーでいい? 十時には行けると思うから」
「そ、そんなっ……いいですよ。忙しいのに無理してもらわなくてもっ!」