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非モテ連合国
第1章 非モテが1人

起床。
バイト無しの休日、日曜。
田中は眠そうに起き上がりボリボリと尻を掻く。
そしてふと昨日の出来事を思い出した。
「にしてもお前、26年間彼女いねぇってあり得ないだろ」
数少ない友人である"長澤 圭太"が笑いながら言う。
夜、飲みに誘われて居酒屋に来ていたのだ。
田中はイラついたように返答する。
「うるせぇよ。悪かったな」
「じゃあなに? 手繋いだこともないわけ?」
「ねぇよ。会話したこともない」
「一言もか?」
「そりゃあ業務連絡とかでは口を聞く。でもそれは会話って言わないだろ。世間話っていうかそういう面と向かって話したことなんざ……」
それを聞いて遠慮もなく爆笑する長澤。
「冗談だろ? つまんねぇ人生送ってんのな、ははは!」
「てめぇバカにし過ぎだ!」
「わりぃわりぃ、つい可笑しくってよぉ」
イラつきながらビールを流し込む田中。
長澤はケータイの震えに気づいて取り出す。
「女友達から電話だ。ちょっと席外すぜ」
そう言うとトイレに消えていってしまった。
バイト無しの休日、日曜。
田中は眠そうに起き上がりボリボリと尻を掻く。
そしてふと昨日の出来事を思い出した。
「にしてもお前、26年間彼女いねぇってあり得ないだろ」
数少ない友人である"長澤 圭太"が笑いながら言う。
夜、飲みに誘われて居酒屋に来ていたのだ。
田中はイラついたように返答する。
「うるせぇよ。悪かったな」
「じゃあなに? 手繋いだこともないわけ?」
「ねぇよ。会話したこともない」
「一言もか?」
「そりゃあ業務連絡とかでは口を聞く。でもそれは会話って言わないだろ。世間話っていうかそういう面と向かって話したことなんざ……」
それを聞いて遠慮もなく爆笑する長澤。
「冗談だろ? つまんねぇ人生送ってんのな、ははは!」
「てめぇバカにし過ぎだ!」
「わりぃわりぃ、つい可笑しくってよぉ」
イラつきながらビールを流し込む田中。
長澤はケータイの震えに気づいて取り出す。
「女友達から電話だ。ちょっと席外すぜ」
そう言うとトイレに消えていってしまった。

