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第1章 非モテが1人

「くそっ……気分悪いぜ……」

ビールを飲み干した田中は追加を頼もうと店員を呼ぶ。

「すいませーん」

しかし聞こえていないのか見向きもしない。

もう一度呼ぶも反応なし。

「ちっ……使えねぇ……」

ぼそりと愚痴を溢すとテーブルに突っ伏す。

長澤の言葉が脳内をぐるぐる回る。

この2人は実に対照的で、田中は非モテ自堕落ダメ人間なのに対し、長澤はモテモテ完璧人間である。

なぜ友達になれたのかも分からない。

ただことあるごとに長澤にバカにされている。

「おいなに寝てんだよ」

戻ってきた長澤が田中の肩を叩く。

田中は渋々顔をあげる。