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非モテ連合国
第2章 バイト
「……」

しばらく抜け殻のように立ち尽くしていたが、突然足の力が抜けて膝が地面に落ちる。

そして胸からなにかがこみ上げ、目に達すると純朴な雫が溢れ落ちた。

止めどなく溢れるそれに抵抗することなく、田中は地面に手をついた。

(馬鹿だった……!!)

まず最初に思ったことは自分の愚かさ。

彼は全てを悟っていた。

(声をかけてこなくて当然……元々俺なんかどうでもいい存在……気づいていたが声をかけることをしなかったんだ……あの時の会話も時間を埋めるための行為……馬鹿な俺は好意で話し掛けてきたと思っていた……大馬鹿……! 典型的童貞……世間知らず……脳はガキのままの26歳……!)

罵倒……圧倒的罵倒……!

己を叱咤、見下す。

大勢の人がじろじろ見て歩き去っていくなか、田中の走馬灯のような思考は止まらない。

(だからいくら待っても話し掛けてこない……好意がないのだから……俺が動かなきゃならなかった……まあ彼氏がいたから動いても意味なかったが…………)

(いや、そこじゃない……彼氏がいたらどうとか関係ない……他人任せで勝ちを握ろうとしていた俺はゴミクズ……告白する……その行為が大事……100%無理でもそうやって戦わなきゃならなかった……だから今、必要以上に絶望してんだろうが……!)
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