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非モテ連合国
第1章 非モテが1人
「あ、いいすか? 生2つください」

席に座るなり店員に注文する。

2回呼んでも気づかなかった店員は1回で了承する。

タバコに火をつけ、天井に煙を吐き出す。

「とりあえずお前彼女作れよ。人生変わるぜ?」

その言葉を言われた田中は酷く気分を害する。

(彼女作れ? じゃあ紹介しろよ。それをしないってことは、彼女作れって台詞はそいつを案じて言ったんじゃなく、自分は満ち足りてると言いたいがために吐いた台詞……見下しやがって……)

追加で来たビールを半分まで飲み干し、ぐったりと背もたれに沈み込む。

それから長澤の自慢話を聞かされ続けた田中であった。



「クソッタレ……思い出せば腹立ってくるぜ」

頭をがりがりと掻く田中。

そのなかに徐々に芽生えるある感情。

「…………彼女か……」

今までカノイナドウテイをバカにされる度に萎えてオナニーに走っていたが、今日は違った。

「あいつに言われたからじゃねぇ……いい加減欲しい……」

拳を握りしめ、14度目の宣言をする。

「今度こそ彼女ゲッチュだ!」

だがしかし、今回はなにかが違った。

悪い意味で。
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