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《番犬》が女に戻るとき...
第7章 誘拐


──守る立場の彼女にとって

男ってのはどういう存在なんだろう。


「……守ってくれる相手じゃあない」


対等にやりあう相手でもない。

大切なものを傷つける、目障りな存在とでもしておこうか──。




茜が自分に向けてくる、純粋な嫌悪。


どうしたもんかと振り回されてる自分自身を、今までにない感じで楽しんでるけど。




『…ありがとう、私は大丈夫だ…』


おとといの茜のあの微笑みが頭をよぎる。


それは彼ではなく
助けた女生徒たちに向けられた笑顔だった。


あの顔を、いつか自分に向けさせたい──。






「…ま、それはおいとこ」



今は、そっちは置いておこう




「…迎えが来たみたいだし」



零はうんざりな表情で

首に手を添えて軽くひねった──







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