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《番犬》が女に戻るとき...
第10章 見舞い
廊下を進んで扉を開ける。
彼の後ろについて部屋に入った。
目の前に広がったリビングルームは
……まぁ想像はしていたんだが
すごい広さだった。
──けれど不思議なのは
そこはただ広いだけではなくて、《無駄に》広いと感じてしまう。
「……?」
その理由はすぐにわかった。
「家具はこれだけか」
「そうだよ」
そのリビングは、異様に物が少ない。
よく片付いていると言えば聞こえはいいが、というより片付ける物さえこの空間には無いようだった。