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《番犬》が女に戻るとき...
第11章 カリスマな御三人
朝のシャワーを終えた零がまだ濡れた身体に水滴を纏い、腰にタオルを巻いて部屋に立っていた。
彼の白い肌が風呂上がりのためほんのり色づき、電気のついていない部屋のなかで外の弱々しい日に照らされている。
すらっと背の高い彼の…逆三角形の大きな背中
腕をあげる仕草に合わせて逞しい背筋が現れた。
かきあげた茶髪から床に水が滴っているが、彼はあまりそれを気にしていないようだ。
騒がしいなぁ
誰もいない部屋のなかはこんなに静かなのに、眼下の世界はうんざりするほどせわしない。
競うように横断歩道を渡るものだから…ほら、傘と傘がぶつかってるじゃん。
「早めに家、出たらいいのに」
そしたら急がなくっていいのにね。