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《番犬》が女に戻るとき...
第11章 カリスマな御三人
たしかにここ最近
茜宛のラブレターが増加傾向にある。
それはおそらく…9月下旬に行われた体育祭の影響であり、また三日後にある球技大会のせいに他ならない。
送り主はほとんどが後輩だ。(もちろん女生徒)
体育祭での茜の姿に惚れ込み、次なる球技大会へのエールをおくるという内容がほとんどだった。
「体育祭の茜ちゃんはすごかったものね」
梗子は、体育祭での茜の勇姿を思い出していた。
1000㍍走では
ただ一人の女子として参加して1位。
学年対抗リレーでは
スタートからいきなり他年生をぶっちぎる。
障害物競争では
壁登りからパン食いまで…鮮やかなまでの突破力で会場をわかせる。
アンカーを任されたクラス対抗リレーでは
はなされた距離をみるみる縮めて5人をぬきさり、4組を堂々の1位に導いた。
普段は茜を恐れてやまない男子生徒も、この瞬間だけは彼女を大声で応援し…ゴールと同時にお祭り騒ぎだった。
走る彼女にふりそそぐ
女生徒の悲鳴に近い歓声と、男達の野太い声援
梗子は思い出すだけで幸せだった。