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《番犬》が女に戻るとき...
第11章 カリスマな御三人
『やっぱ久藤はヤバイな!』
大盛り上がりの4組の男子生徒を見て、梗子は誇らしく思ったものだ。
“ やっとみんな茜ちゃんの可愛さに気が付いてくれたのね。そうよ…!彼女はとっても素敵な子なんだからっ ”
(↑それは違うと思うぞ花崎さん)
実は梗子は、茜が受け取ったラブレターは男からのものだと勘違いしている。
まぁ、その勘違いも無理はないかもしれない
なぜなら…
「そういう花崎さんも相変わらずじゃないか」
「…うーん、まぁ…ね」
梗子自身が、毎日のように男からのをもらっているからだ。
梗子は弁当を食べながら苦笑いを浮かべる。
茜がこの時期に大量のラブレターを受け取っているのに対して、梗子は一年間を通して《靴箱にラブレター》が途絶えることがない…。
上着のポケットから少しだけはみ出しているのが、《今日の男》からの熱烈なアタックだ。
高嶺の花だとわかっていても
ぶつかって砕ける男達は後を断たない。
「でも…お手紙って何だかんだで嬉しいじゃない?心を込めてくれてるというか」
…そう、確かにそれこそが手紙の良さだ。しかし
「だから困る。捨てるに捨てられない…!!」
茜にとってはそれこそが悩みの種。