この作品は18歳未満閲覧禁止です
《番犬》が女に戻るとき...
第12章 そういうの いらない
零たちは3年の階も素通りしてさらに上に行く。
その先にあるのは屋上への扉だけ…。
雨のせいで濡れた屋上を使う者は誰ひとりいないわけで、そこを通る者もまたいなかった。
屋上の手前で、二人きりで向かい合い立ち止まった彼等の様子を、茜が身を潜めて伺っていた。
“ そういえばあの手紙には、二人きりで話したいと書いてあったっけな…… ”
だからこうやって誰もいない場所にきて…。
篠田…お前は
どういうつもりなんだ?