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《番犬》が女に戻るとき...
第13章 球技大会 ~汗と鉛と、苛立ちと~
ドリブルで攻めていた零が立ち止まった。
「男にまで応援されてる…」
茜の姿を探すのだが、間の人だかりが邪魔で女子のバレーはここから見ることができなかった。
「余所見するなっ」
「あ、ごめん」
「…っ…おわッ」
何故か立ち止まった零のボールをとろうとした相手だったけれど、零は華麗にターンを決めてそれをかわす。
そして別のプレーヤーが詰め寄ってくる前に
3ポイントラインからボールを放った。
放物線を描いたそれは布のすれる音をたててゴールへと吸い込まれる──
「きゃああー!」
「まただわ篠田くん♡」
「上手すぎ~♡カッコいいーッ///」
悲鳴をあげる者
うっとりする者
写真を撮るのに夢中な者
その場にいる女子は全員、零の姿に釘付けだ。
▽▽▽▽▽▽▽▽
2-1 : 36点
2-2 : 10点
△△△△△△△△
「……っ」
そして…零への歓声が
相手のサーブを待つ彼女の耳にも運ばれてきた。