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《番犬》が女に戻るとき...
第13章 球技大会 ~汗と鉛と、苛立ちと~
女子バレー決勝戦が終わり、4組代表メンバーは駆け寄ってきた女生徒にもみくちゃにされる。
「優勝よ~!?」
「みんなお疲れさま!素敵だったわ」
「男子とは大違い♪」
「うるせーっ」
男子のバスケは二回戦目で敗退したので、途中からは4組のクラスメイト全員が茜たちの応援をしていた。
女子チームの活躍を、手放しに喜べないバスケチームだったが……
「俺らのクラスはバスケ部ひとりしかいないんだから仕方がないだろ?」
「午後のゲームはきっちり勝ってやるよ!」
彼等は気持ちのきりかえが早い。
なんにしても、自分たちのクラスが優勝して嬉しくないわけはなかった。
「はい茜さん!お水です」
茜のもとにもタオルとペットボトルが渡され、もみくちゃな塊のままコートを後にする。
「決勝戦での久藤さんはとくべつ素敵だった!」
「……ありがとう」
「──あ、男子のバスケもそろそろ終わりそう」
バレーの決勝を見まもっていた人ごみが、隣のコートに吸収されている──
そちらでは、バスケの最後の8分間が始まったところだった。
──クラスはどこだ?
「えーと、得点表がよく見えないなぁ…」
「片方は3組だわ。もうひとつは──」
「きゃああああー♡♡♡」
その時、向こうからすごい悲鳴が…
「・・・・・」
(↑歓声を聞いて察した茜)
茜は自分もバスケの試合を見に向かった。