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《番犬》が女に戻るとき...
第14章 水も滴るイイ女
「だからそれ反則…」
「……は? なっ…何か言ったかッ??」
「…いや」
「──…っ」
零が再び唇を重ねてきた。
しかも今度は、短いキスを繰り返しおこなう。
「…しの…ッ」
...チュッ
しかも、リップ音つき──。
...チュッ、チュッ
「……?」
戸惑うだけだった茜も、次第にその行為に心地よさを感じ始めた。
何故か目を閉じたくなってくる…
眠いわけではないのに。
茜の瞼が落ちだした時、零が離れた唇から問いかけた。
「…俺とのキス…どう?」
「……どう、って言われてもな…ッ」
「──…嫌?」
「……っ。…別に嫌ではなかった…!!」
「…!」
赤くなりながらも彼女は真剣に答えている。
嫌かと聞かれれば、嫌ではない。
「…ならさ、大人のキスも…しよっか」
「──? 何だそれは」
「俺が今から教えてあげる。ただし…驚いても頭突きはしないって約束してね?」
初めてキスをしようとした時に受けた強烈な頭突きを思い出しながら、零は茜の濡れた黒髪を撫でた。