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《番犬》が女に戻るとき...
第16章 新婚生活 開始!?
「同じ哺乳類で比較するなら
犬 >鯨> 猫 > ‥‥人間 ぐらいの位置だ」
「それってけっこう好きってこと? いやそうでもないのか…、ちょっとわかりづらいよ(汗)」
「ここに猫を連れてきたのは私ではなく母さんだ」
「なるほど」
つまり茜自身は関係ないらしい。
彼女は後ろのテーブルにもたれ掛かりながら話を続けた。
「母さんにはその…っ、捨て猫を拾ってきてしまう《癖》があるんだ」
それを癖、というのが正しいのかは知らないが
「猫たちは皆、腹をすかせて酷い有り様だった。元は飼い猫だったから人懐こいが衰弱していた…」
「それをほっとけずに、連れてきちゃうの?」
「あと先を考えないんだよ…っ」
母の癖は困ったものだった。
この家にペットを買えるような余裕はないのに…処分されるのは可哀想だと保健所に引き取らせる事もできない。
新しい住人が増えるたびに茜は母に注意をしてきた。しかしどうしても、母を強く非難することはできない。
母のしていることは家計的に好ましくないけれど、間違った行為だとも言い切れないから──。
「──…なんかさ、やっぱり親子は似るんだね」
「…は? どこがだ」
「あと先考えずに弱いものを守りたくなる病」
「…っ…んだよそれ…!」
変な名の病に親子感染させられる。
確かにそうかもしれない…が、人に言われると恥ずかしくなるからやめてくれ。