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《番犬》が女に戻るとき...
第16章 新婚生活 開始!?
「まぁ要するにだな…っ、猫の飼育費はけっこう馬鹿にならないんだ」
「それがバイトの理由か」
「…あとは、篠田も見ただろう?私の昼食を」
──そう、あの重箱弁当。
あれが彼女の食事量のすべてを物語っている。
毎日茜が食い潰す米の量は恐ろしく、正直、猫たちの食費が可愛く思えてしまう。
久藤家の食費は、普通の二人暮らしと比較して3倍以上はかかっているだろう。
「私は、飯を我慢するのだけは苦手なんだ」
その食いぶちは自分で稼ぐ。
「……わかりやすい理由だろう?」
茜は自信を込めてそう言った。
「たくましい理由だね」
これには零も笑うしかない。
「だから変な同情はよせよ」
バイトの事をばらされるのも困るけれど、自分の家の事を誤解されるのはゴメンだ。
母さんは、少なくともそれなりに働いて私を養っているんだから──。
だからきちんと伝えた。
篠田なら……
たぶん誰にも言わないだろうと思ったのもあるが。
...ガチャ
「──お」
「……?」
「あら、鍵がかかってないわよぉ?」
なんてタイミング
そこに茜の母が帰ってきた。