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《番犬》が女に戻るとき...
第19章 警戒
考えてみれば茜はハルクのことを何も知らなかった。だからか、イメージが全く浮かばないのは。
「……」
あの男が、何故私にあそこまで付きまとってくるのか…
青崎高にいたことと関係があるのか。
「少し気にしてみるか──」
篠田とハルクの間にある確執については置いておいたとしても、少しは意識して(見張っておく)必要はあるかもしれない。
「花崎さんに害のない男か、見極めないとな」
《番犬》の血が、勘がはたらく。
茜の考えを読みとった零も、額をおさえたまま面白くない表情をした。