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《番犬》が女に戻るとき...
第19章 警戒
───…
ハルクが1限目の授業に遅刻するようになるのに、そう長い日にちが経つことはなかった。
「Good Morning…フワァ」
どうやら朝に弱いらしい彼は、今日も慌てることなく教室に入ってくる。
「たしか先週もだったな?」
不満をこめた教師の問いかけ。 生徒の地位の方が高くなった今の日本では、教師はなかなか怒鳴らないのだ。
「ごめんなさい、先生」
そういうときハルクは素直に謝るし申し訳なさを態度で示す。
それは遅刻が故意ではないことを表していた。