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《番犬》が女に戻るとき...
第22章 茜サンは 強いよね
「そうだよ」
「…!! …ハァー‥」
しかし肯定されてもでてくるのは溜め息だけだ。
ホテル王どころの騒ぎじゃない…
「篠田のカリスマ性の片鱗を見た気がする…」
「……照れる」
予想はしていたんだが
予想以上の深刻な話。
その深刻さに不釣り合いな、照れ顔の零。
“ 何処から聞いていくべきなんだ? ”
「お前の本名は?」
「まんまだよ──レイ・ミドルトン」
「…年は?」
「十九。…あ、因みに誕生日は6月ね」
(参考までに茜は十七)
「……それを教師たちは知っていたのか」
「知らない筈だよ。戸籍とパスポートはいじってあるから」
「‥‥‥」
こいつ、世界的な大怪盗だのスパイだのの類いじゃないだろうな?
聞けば聞くほど茜は怖くなった。