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《番犬》が女に戻るとき...
第24章 クリスマスを君と…
そんな甘い顔で睨んだところで、茜のような鋭さは欠片もないけれど。
「その日は塾がありますから…」
「ふーん。生徒の相談にのるより、自分の成績の方が大切なんだ…」
「…っ…卑怯ですよ!」
めったに興奮しない彼女の
レアな大声。
《退屈》が覆っていた筈のハルクの表情が、少しずつ生き生きし始めた。
「キミが言い出したことだろう?ちゃんと責任はとってね」
「~~~!!」
梗子が益々赤くなる。
それは照れているから…ではなくて、怒ったときの反応だ。
“ カワイイかもー… ”
それを間近に見たハルクは、初めて彼女にそんな気持ちを抱いた──。