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《番犬》が女に戻るとき...
第25章 みとめない!
ドキドキ ドキドキ
ハルクは慎重に言葉を探した。
アカネがこんなに自分を警戒してくるのは、自分の裏の顔を知っているからだ。
青崎高校で不良どもを制圧していた、裏の顔を。
“ だからって僕はレディに手をあげるような不粋なマネはしないって、言ってるじゃんか ”
キミはまるで信じないんダネ。
「──…僕は、個人的な用事でキョウコに会いに来ただけ」
「…ンだと」
「アカネに話すことなんて、何も無いね」
悪戯っぽく笑うハルク。
梗子の前だと茜はキレないみたいだし…。
「じゃあ、僕はこれで帰るよ」
「話は終わってない…!」
「──…キョウコ。約束は守ってネ」
挑発的なウインクを梗子に残して、納得できない茜にハルクは背を向けると、そのまま立ち去ってしまった。