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《番犬》が女に戻るとき...
第27章 デートですから
ここはビュッフェスタイルのレストランだった。
「食べ放題のビュッフェだから、安心してね」
“ 安心してねってどういう意味だ ”
確かに、食欲において他を凌駕する茜にとって、そこは重要なポイントだが。
「こちらがお席で御座います」
「ごくろーさま」
テーブルの間を縫うように奥へ奥へと進んだ二人。二人の席は、夜景を見下ろすガラス張りの一角──ついたてと照明で周りから仕切られ、ほとんど個室状態だった。
「ドリンクとメイン料理だけ注文するんだ。俺はワインでもいいけど…茜さんも一緒に飲むなら」
「飲まん。(即答)」
「──…だそうだから、ノンアルコールカクテル、お勧めでいーから持ってきて」
椅子に座ると手渡されたメニューを開いて、茜は言われた通りメインディッシュを選ぼうとする。
「……(汗)」
《国産牛サーロインのグリル 和風ソースにフォアグラを添えて──》
《熟成豚ロースにポルトワインソース トリュフ風味のマッシュポテトを添えて──》
《オーストラリア産 ソルトブッシュ 仔羊チョップ肉のラタトゥイユ ラムジュ》
……ながッ!
料理名長いな…(汗)
長い癖に、ほとんど理解できない。