この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
《番犬》が女に戻るとき...
第28章 ──…逃げるな
……っ
「──…誰だ」
暗い路地裏
通りから射し込む明かりが逆光になり、相手の姿が捉えづらい。
誰だと問うた──彼女の言葉に
向こうは品の無い大笑いで返してきた。
「そんな冷静に聞かれても…ブハッ」
「お前らこそ何する気だったんだぁ~?」
「こんな所で服脱いで」
少しずつ目が慣れてきた。
知り合いではないな…
少なくとも高校生ではない。もっと上だ。
「──…何か、私たちに用ですか」
顔をしかめ、それでも口調を丁寧に変えて…茜は聞き直す。