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『うぅ』としか鳴けない
第8章 苦い過去の記憶
一週間後、主の家へ戻った瑞葉は、まるで違った生き物となっていた。

従順で、よく働くが、完全に表情が消えたのだ。


『もう、誰にも噛み付かないわよ。感情コントロールをしたから。』

『相変わらずの冷淡さ。君は本当にサディスティックな女だよ。』

『まあ!お褒めにあずかり光栄ですわ(笑)』



しかし。



瑞葉は翌日、姿を消した。
徹底的に躾けられた女王様の自宅前で、舌を噛み切り自殺したのだ……


「わたくしは、女王様のしもべでございます。女王様の下へ参ります。」


ただ、この手紙ひとつを残して……



後味の悪い結末だった。

それ以来、主は、他人に手助けを求めず、「不合格」の烙印を付けた女はことごとく棄てる、冷酷で無慈悲な男になったのである。




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