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『うぅ』としか鳴けない
第13章 結婚への道のり
時間に追い立てられている感の主だった。

仕事が暇なわけではない。いや、むしろ忙しい。

主の緊張はいかばかりか……

金崎琢磨は、ごく普通の一般家庭に生まれている。
灯子と同じ、一人っ子である。

父親は、中くらいの企業の課長クラスに属していて、中間管理職の辛酸を舐めながら、家庭を顧みることもなく、仕事に明け暮れる毎日を送っていた。

今になっても、両親の離婚の原因は解らないままだが、女ではないかとは思う。

母は古風過ぎたのかもしれない。とにかく、大黒柱のお父さん、といった具合で、先ずは、父を優先していた。

琢磨は、私立の小学校に入ったわけでもなく、学校が終われば、家にランドセルを投げ出して、ひたすら泥まみれになって遊ぶ、わんぱく振りだった。


しかし…状況は一変した。



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