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『うぅ』としか鳴けない
第13章 結婚への道のり
『御主人様、お疲れなのね…父に言って、日延べしていただきましょう。』

『ダメだ、灯子。俺は大丈夫だ。』

『心配です…』

『すまないな、心配させてしまって。』

『俺はな、灯子…』

ぽつりぽつりと、主が話しはじめた。

こんな歪んだ性格を、全てではないが、灯子が変えたんだと言った。

今思えば、灯子の愛情は、父に与えた母の愛情に似ている、と。

どこまでも、一家の主を立て、それを自分の悦びとし、嬉々として生活を楽しんでいる。

それはどこから来るのだろう……

深い信頼、尊敬、愛情、そういったものなのだろうか。

俺が受けた衝撃は、真っすぐ見つめる灯子の目と、あたたかいオーラだった。

俺に向けるそれは、母から注がれた愛情とも少し違う、「守らねばならない愛情」のように感じた。



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