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第15章 結婚への道のり〜葛藤〜

シェフは、主が在宅か否かも解らないまま、金崎家へ急いだ。

シェフは、灯子が金崎邸に来てからというもの、とても明るく、輝く美しさが際立っていると感じていた。

最愛の人に巡り逢えた幸せとでもいうか、こんなお嬢様は今まで見たことがなかったのだ。

シェフは、この二人を応援したいと、心の底から思っている。シェフは、主に、ある種の同じ匂いを感じていたのだ。もちろん、シェフが主の生い立ちを知る由もなかったが……

『金崎様。』

『ああ、シェフ…今日は頼んでないぞ。』

『灯子お嬢様の御伝言をお預かりして参りました。』

『灯子？！』

『はい。』

『ここではなんだから、さあ、中に入ってくれ。』