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第21章 実状観察

ＳもどきにＭに見立てさせられた、可哀相な女が一人、区内を走る電車に乗せられた。

先頭車両は、こちらで手配した痴漢常習者と、この女の主と名乗る男が手配した男女が乗り合わせた。

女は、ここが特別区に指定されていることを理解出来ていない様子だった。

『んっ！』

吊り革を持つ右側の男の足が、少し開き気味に立っていた女の足の間に入った。

｢何？｣女は間に入った男の足に面食らっている。

電車の揺れで、上体が大きく揺れた。

『すいません！』

目の前に座る男にぶつかったことを詫びる女。

『いや、大丈夫ですよ。』

そう言われて、ホッとした瞬間！