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『うぅ』としか鳴けない
第26章 履き違えの被虐
『お前さあ、仕事しろよ。パートでいいからさ。』

『うん、そうね。明日早速、区役所に相談に行くね。』

『それなんだけどさ、派遣の仕事しろよ。あっちこっちでやる仕事。』

『なんで?』

『え?逆らうの?』

『…や、そうじゃないんだけど、何で…』
「バシッ!バチンッ!」

往復ビンタが浴びせられた。

『いちいち煩いんだよ!言うこと聞くのか!聞かないのか!』

振り上げた拳に凍り付きそうになりながら、優美は答えた。

『ききます!派遣探します!』


『そ。最初からそう言えばいいの。わかったかなあ?優美ちゃん?ニヤリ』


優美に、「嫌」 「無理」 「何で?」 などという言葉は与えられない。

すべて「はい」なのだ。



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