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堕ちても
第2章 カマキリ
 
 
肌寒かった。

枯れた秋風に吹かれて、すこしだけため息をつく。

それは、日常のしがらみでも、仕事へのストレスでもなく、

単に、さみしいから。


どうして、人は孤独なんだろう。

そんなあたりまえなことを、哲学的にとらえて、勝手に考えて、悩んで―――

みじめというか、バカというか。

くだらない。

そう―――くだらないから、わたしは、あまり気にしない。

それでも、さみしい。

だれか、そばにいてくれるだけでも。


 
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