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バックヤードの誘惑
第2章 反応してしまった・・


美佐江は和樹に

無理やり体を奪われた。

嫌いじゃない男だから、よけいに

ショックは大きかった。





この町の商店街の中ではわりと大きいブティックで、

美佐江はパートを始めた。


専業主婦に飽きてしまった美佐江は子供がいないこともあって、

遅番と呼ばれる閉店時間までの勤務もできることをアピールして

採用されるにこぎつけた。


大抵の主婦たちは、夕方早くに帰りたい。

子供の学校などの都合がなくても

夫が帰ってくるまでには家に帰り、

食事の支度を済ませたい。


美佐江の場合、夫の帰りはいつも遅い。

2時間近くかけて通勤しているのだから、

どんなに早くても8時過ぎになってしまう。

だから店が閉まる7時までも働ける。

この時間を希望する者は美佐江だけなので、

店主としてはありがたさも手伝ってか、

なにかと優遇してくれた。



6時過ぎると美佐江ひとりだからと、

仕事の負担を時給に上乗せしてくれてこの1時間は50円アップ。

社員割引は20%ときまっているが、誰もいないときならば

30%を引いてくれる。


たかが閉店までの1時間の事にこれほど優遇してもらうと

嬉しい反面プレッシャーも感じる。

こんなに良くしてもらってるんだから

面倒な仕事を頼まれても断れないな、と

親切も逆に重たい。


その重たさを、早速味わうことになった。
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