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『先生』
第5章 先生か男か?
「先生は私にとっては、誰よりもオトコの人です・・・」

消え入りそうな声で私が答えると先生は少し寂しそうな顔をして

「うそつけ。
オトコだと思ってたら、簡単に部屋に入るはずないだろ?」

違う。
オトコだから。
好きだから。
だからずっと、少しでも一緒にいたくて。
先生の部屋が見たくて私はここにいるんだよ。

上手く言葉に表せない私をみて先生はもう1度寂しそうに笑った。

「ごめん。送ってく。急ぎ過ぎたわ」

立ち上がろうとテーブルに手を付いた先生の手首をつかんだ。

「分かってないのは、先生のほうです」

私は先生の頭を引き寄せて自分から先生にキスをした・・・

それは夢の中でも妄想でもなく
現実の温かな唇だった・・・・

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