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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第20章 《巻の弐―予期せぬ客人―》
 河嶋は何を考えているのか、一輪の花を手に握りしめたまま、うつむいていた。障子越しに差し込む夕陽を浴びたその姿は、何故かひどく小さく淋しげに見えた。
「河嶋」
 思わず名を呼ぶと、河嶋が弾かれたように顔を上げる。眼と眼が合うと、河嶋はうっすら笑んだ。
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