この作品は18歳未満閲覧禁止です
蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第21章 《巻の参―秘密―》
愕くほど泰雅の容貌を彷彿とさせ、流石は母子だと思わずにはいられない。既に四十二歳のはずだが、まだ三十代と言っても差し支えのないみずみずしさを保っていた。大輪の花のような派手やかな美貌であり、ご後室姿がかえって臈長けた色香をそこはかとなく滲み出している。到底、二十六になる息子がいるとは思えない若さだ。
「景容院さまにはご機嫌麗しく何よりと拝察存じ上げます。本日は拝顔の栄を賜り、心より御礼申し上げまする」