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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第21章 《巻の参―秘密―》
―そなたの腹の子は、この私の子ぞ。たとえ誰がどう言おうが、そちと私の子じゃ。二人で愛し、大切に育てようぞ。
祝言の夜、初夜の床で泰久は通姫にそう言った。心優しい泰久を通姫は次第に愛するようになり、穏やかな幸せの中に身を置くにつれ、哀しい初恋の記憶も薄れていった。
恋がまだ何であるかさえ知らぬ中に体験した、淡い恋であった。ただ兄のように慕う男に言われるがままに身体を開き、結ばれたのだ。それが、世に言う男女の営みというものであることすら理解できていなかった。
祝言の夜、初夜の床で泰久は通姫にそう言った。心優しい泰久を通姫は次第に愛するようになり、穏やかな幸せの中に身を置くにつれ、哀しい初恋の記憶も薄れていった。
恋がまだ何であるかさえ知らぬ中に体験した、淡い恋であった。ただ兄のように慕う男に言われるがままに身体を開き、結ばれたのだ。それが、世に言う男女の営みというものであることすら理解できていなかった。