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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第21章 《巻の参―秘密―》
泰雅には、何の罪もない。むしろ、無知で世間知らずの姫君と義理の娘に手を付けた将軍との間の子として生を受けたばかりに、哀しい運命を辿ることになってしまった。泰雅こそがいちばんの犠牲者だったのだともいえる。
何故、景容院がもっと前向きに生きようとしなかったのか。泉水にはそれが残念でならなかった。少なくとも泰久は泰雅を我が子として認めようとしていた。ならば、泰久が言ったように、二人で泰雅を我が子として慈しみ育ててゆけば良かったのだ。
何故、景容院がもっと前向きに生きようとしなかったのか。泉水にはそれが残念でならなかった。少なくとも泰久は泰雅を我が子として認めようとしていた。ならば、泰久が言ったように、二人で泰雅を我が子として慈しみ育ててゆけば良かったのだ。